「利食い千人力」は本当に正しいのか?14連敗を経験した僕のFX哲学
投資の世界には、数多くの格言があります。
「頭と尻尾はくれてやれ」「休むも相場」「損小利大」。
どれも納得できるものばかりです。
ところが、僕にはどうしても腑に落ちない格言がありました。
それが「利食い千人力」です。
今回は、この格言への疑問から、僕自身のトレード経験や資金管理、そして相場との向き合い方についてチャッピーと話してみました。
利食い千人力に納得できない理由
「利食い千人力」という格言があります。利益が出たら確定することも大切、という意味ですね。
だって、一旦リスクを払って、一方向に賭けたわけですよね。 自分なりのリスクリワードがあって、目指したい利益があるはずです。 なのに「今のこの1勝」を大事にしすぎるのはナンセンスだと思います。
これだけは腑に落ちないんですよ。
小さな利益を確定することが、必ずしも良いトレードとは限らないわけですね。
そんな気持ちでトレードしていたら、毎回チキン利食いするトレーダーになってしまいます。 もちろん早めの利確が有効な手法もあるでしょう。 でも、僕のメソッドは違うんです。
そうなんです。
僕は利確幅を決めていない
では、ヒデさんはどうやって利益を確定しているんですか?
その代わり、トレーリングストップを使っています。 しかも、普通の人なら利確しそうな価格より、もっと上まで伸びてからトレーリングを開始します。
僕は利確幅を決めていません。
ということは、含み益が出ていても損切りになることがありますよね?
まあまあな利益が出ていたのに、反転して損切り。 めちゃくちゃ悔しいですよ(笑) でも、それが僕のメソッドなので諦めます。
ありますよ!
僕のトレードでは、利益の大部分を大きな利確が生み出しています。
小さな利益を何度も積み上げるより、大きな値動きが来た時にしっかり取る。
その代償として、含み益を失うことも受け入れています。
利益を伸ばすことも、早めに確定することも、すべて諸刃の剣なのです。
1回の勝ちより、1ヶ月、1年の利益
それでも途中で利確したくなりませんか?
でも、バックテストとフォワードテストで、1ヶ月、1年という単位では大きな利益が出ることを確認しています。 だから、目先の利益よりメソッドを優先します。 ここで勝手に利確したら、検証した手法とは別物になってしまいますからね。
もちろん、なりますよ。
僕はFXをギャンブルの一種だと考えています。
ただし、何も考えずに賭けるギャンブルではありません。
過去のデータから有利だと思われる条件を探し、資金管理を組み合わせて勝負します。
当然、未来は分かりません。
だからこそ、1回の結果に振り回されず、検証したルールを守ることが重要だと思っています。
勝率40%の手法で14連敗!
実際に、ルールを守るのが苦しかった経験はありますか?
勝率40%、負け率60%の手法でした。 バックテストでは最大13連敗を確認していたんです。 ところがリアルトレードでは14連敗してしまいました。
あります。14連敗です。
14連敗ですか! かなり厳しいですね。
確率論はそれなりに理解しているつもりでしたが、さすがに弱気になりました。 しかも相対ドローダウンは65%くらいだったと思います。 もう、めちゃくちゃ悲観的でしたね。
14回連続で負ける確率は、単純計算で約0.078%です。
ここで少し補足します。
負け率60%の場合、特定の14回がすべて負ける確率は、
0.6の14乗=約0.078%
です。
ただし、これは一定の14回についての計算です。何百回、何千回と取引すれば、どこかで14連敗する確率はもっと高くなります。
バックテストで13連敗までしかなかったからといって、14連敗しない保証はありません。
僕はそれをリアルトレードで思い知らされました。
15回目でようやく勝利
そこまで負けて、手法をやめようとは思いませんでしたか?
でも、継続しました。 そして15回目でやっと勝てました。 その後、資金も復活したんです。
弱気にはなりましたよ。
その経験から何を学びましたか?
ただし、信じる根拠は必要です。 バックテストやフォワードテストで確認した実績があるからこそ、続けられたんだと思います。
自分の手法を信じて突っ込むだけです。
もっとも、これは「どんなに負けても続けるべき」という話ではありません。
過去に利益が出ていた手法でも、相場環境が変われば通用しなくなる可能性があります。
そして65%ものドローダウンは、資金管理の面でも非常に厳しい数字です。
実際に復活できたから良かったものの、さらに損失が拡大していた可能性もありました。
メンタルよりルールを優先する
ヒデさんはルールを守ることを大切にしていますよね。
例えば車の運転。 信号無視は絶対にしませんし、一旦停止も必ず守ります。 決められたルールを守るという意識は、普段の生活でも大切にしています。
はい。私生活でも注意しています。
トレードだけ特別というわけではないんですね。
FXでは感情でルールを変えると、何のためにバックテストをしたのか分からなくなります。 悔しくても、怖くても、決めたことは守る。 ただし、手法そのものが通用しなくなった可能性があれば、そこは検証し直す必要があります。
そうですね。
資金管理は固定比率の複利運用
勝ちが続くとロットを増やしたくなりませんか?
資金が増えればロットも増え、減ればロットも減る。 あらかじめ決めたルールに従います。
僕は資金率固定の複利運用なので、感情で無茶なロットアップはしません。
将来的にも同じ資金率で運用する予定ですか?
今は7.5%で、かなりキツめの運用です。 でも、資金が大きくなったら段階的に下げるつもりです。 最終的には2%以内にしたいですね。
いいえ。
資金が少ない時期と、大きな資産を築いた後では、取るべきリスクも変わると思っています。
ただし、固定比率で運用していても、大きなドローダウンは発生します。
資金率を決めているから安全というわけではありません。
僕自身、過去の大きな連敗から、その怖さは十分に経験しています。
大きく勝ったのは、僕が凄いからではない
では、トレードで大きく勝った時はどんな気持ちになりますか?
本当にそう思うんですよ。 昔なら「強いメソッドを使っている俺の勝ちだ!」と思ったかもしれません。 でも、今は違います。
相場が良かったなぁ、と思います。
なぜ考え方が変わったのでしょう?
どんなに良いEAを作っても、どんなにバックテストの成績が良くても、その手法に合った相場が来なければ勝てません。 自分の実力だけで勝っているわけではないんですよね。
だって、相場が来てくれないと結局勝てないんです。
僕はこれまで、何度もEAを作ってきました。
素晴らしいバックテスト結果が出て、「これはイケる!」と思ったこともあります。
でも、相場が変われば通用しなくなることもある。
かつて大きく稼いだメソッドが、その後の相場では大きく負けることも経験しました。
だからこそ、今は勝った時ほど相場環境の良さを感じます。
勝てるメソッドを持っていることと、そのメソッドが勝てる相場であることは、別の話なのです。
最後に:僕にとっての「利食い千人力」
今回の話は、たった一つの投資格言から始まりました。
「利食い千人力」。
この格言が間違っているとは思いません。
利益を確定して初めて、その利益が確保されるという考え方には意味があります。
ただ、僕のメソッドでは、早い利確が必ずしも正解ではないのです。
含み益が消えて損切りになっても、ルール通りなら仕方がない。
14連敗しても、検証した期待値がまだ有効なのかを考えながら判断する。
大きく勝っても、自分の腕を過信しない。
結局、僕が大切にしているのは、目の前の1勝ではなく、長い期間で資金を増やせるかどうかです。
そして、もう一つ。
どんなに優れたメソッドでも、相場が味方してくれなければ勝てない。
これが、今の僕のFXに対する考え方です。
これからも相場に合わせて検証を続けながら、自分のメソッドと向き合っていこうと思います。





